第11回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)

ご挨拶

第11回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)
会長 石井 賢
(国際医療福祉大学医学部整形外科学教室 主任教授)

 まずは、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた皆さまに対して、心よりご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまに謹んでお悔やみ申し上げます。そして、罹患された皆さまとご家族および関係者の皆さまにお見舞い申し上げます。

 この度、第11回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)を2021年10月29日(金)~30(土)の2日間に亘り、東京で開催させて頂きます。本学会の会長として運営させて頂ける事を大変光栄に存じます。

 本学会は2010年に開催された第1回日本MISt(Society for Minimally Invasive spine Stabilization)研究会が始まりです。学閥を超え、ALL JAPANを合言葉に低侵襲脊椎手術を脊椎治療のスタンダードにするべく5名の医師(佐藤公治、齋藤貴徳、星野雅洋、有薗剛、石井賢)により立ち上げた研究会です。

 今や、低侵襲を目的とした治療は、あらゆる医療分野に応用され、その恩恵は従来の治療法と同等あるいは凌駕するに至っています。脊椎疾患に対する治療においても腰椎椎間板ヘルニアに対するMEDから始まり、内視鏡手術や、経皮的椎弓根スクリューの登場、低侵襲側方手術により変性疾患のみならず、外傷、感染、腫瘍性疾患へと、あらゆる病態に低侵襲手術は応用されています。

 日本MISt研究会は下部組織として全国に7つの支部(北海道、東北、関東、中部、関西、中四国、九州)と国際支部があり、低侵襲手術治療の臨床実践、教育、研修ならびに討論の場を多くの脊椎外科医のみならずメディカルスタッフにも提供して参りました。

 2019年のMISt研究会発足10年を機に、最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)と名称を変更いたしました。従来のMIStのテーマであった手術手技のみならず、診断、理学療法や薬物療法などの保存治療、周術期管理、新技術・新治療などの安全な普及を目的に、①全国学会、地方会、症例検討会、セミナー、若手医師教育セミナーの開催、②脊椎外科医、医療従事者への教育、③多施設研究、④国際連携、低侵襲治療の普及、⑤新規医療機器開発などを今まで以上に広く推進してまいります。2020年2月には第10回記念学術集会“新生MIST―次の10年へ―”を神戸で開催し、600名を超える先生方にご参加頂き盛会となりました。

 その後、日本でも新型コロナ感染の蔓延により、多くの医療機関で未だに切迫している状況が継続し、講演会・学会開催もweb開催が主流となり、未だ予断を許さない状況が続いております。第11回学術集会においては現地とwebでのハイブリッド開催を予定しています。状況が許せば会員が現地で顔を合わせて議論や交流が取れる様、十分な換気と密を避けられる広い会場での開催を予定しております。

 第11回のMIST学会のテーマは“Beyond the walls”と致しました。プログラムは、シンポジウム、ディベートセッション、教育研修講演、共催セミナー、大会長講演、アワードセッション、主題、一般演題、ポスター、ハンズオンで構成されています。特に教育研修講演とセミナーは、国内外の著名な講師の先生方にご講演頂きますので、是非ともご聴講をお願い致します。

 本学会では、協賛企業へ感謝の意を込めて、協賛企業の会場の自由な出入りを許可し、学会中には全セッションを中断し、約30分の参加医師による展示閲覧時間を設けております。ご参加される先生方には是非とも本会の趣旨へご理解のほど、お願い申し上げます。